
今回お話を伺ったのは、MS&ADインシュアランスグループホールディングスで新規事業企画を担う井上さんです。現場実践型 人材変革プログラム”SATOBITO”への参加を通じて、”仮説を当てに行く”から”事実を拾いに行く”へと転換した井上さんが、その経験と変化を語ります。
・お話を伺った方 :井上 太翔 さん
・部署/役職 :MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社 ビジネスデザイン部 事業創出グループ
・勤続年数 :5年
・実施プログラム :課題探求コース(異業種形式)
答えを誘導しないヒアリングを学びたい
――SATOBITO参加時の業務と役割について教えてください。
ビジネスデザイン部事業創出グループに所属しています。保険業に資するソリューション開発を進めており、社会課題に対して、保険+αの解決策と価値をどのように生み出すかを考える部署です。
――SATOBITOへの参加のきっかけを教えてください。
以前から顧客課題に向き合うことの重要性を強く感じていました。「便利そう」「あったら良いよね」という発想から作られたものが、実際には使われていない、そのようなサービス・ソリューションを目の当たりにしてきたからです。だからこそ、SATOBITOで”自分が現地に行き、実際に人の話を聞く”ことは、課題発見の本質を学べる機会になるのではないかと思い、参加しました。
――SATOBITOに期待していたことはありますか。
課題を引き出すヒアリング方法を考え、実践したいと思っていました。これまでは、例えば「こういうサービスがあったら便利ですか」と聞き、多くの人は「便利ですね」と答える等、無意識に”欲しい答え”を取りに行くヒアリングを行ってきました。しかし、それは真に必要なものとは限らないということに気づき、”その人が本当に困っていること”を自然に引き出す力を身につけたいと考えていました。

“現地現物”は、手戻りを減らし精度を上げる
――SATOBITOに参加して印象に残っていることはありますか。
現地の方々との対話です。奥多摩の役場の方々からは「必要だとわかっているのに対応できない」というリアルな声を聞くことができ、とても印象に残っています。以前は、自治体が抱えている表面的な課題にばかり着目していましたが、実際には予算・人材・地域特性などさまざまな制約が絡み合って生じているものだということを理解しました。調べればわかるような表面的な課題へのアプローチは、本質的に解決するものにはなり得ず、根深い課題への対応こそが真の課題解決につながることを、現地に足を運び直接聞くことで気づくことができました。
――SATOBITOを通じて、ご自身の変化はありましたか。
大きく変わったのは、仮説の立て方です。ヒアリングの方法も変え、まず“事実”を集めるようになりました。例えば、「1日をどう過ごしていますか」「どんな流れで業務をしていますか」「何に時間がかかっていますか」といった形で、フラットに現状を理解することから始めるようになりました。以前の私は、自分の中で「きっとこういう課題だろう」という仮説を立て、その仮説が正しいかを確認するためのヒアリングをしていたのだと気づきました。順番が逆だったんですよね。
――参加後の周囲の反応はいかがでしたか。
「現地現物をより大事にするようになったね」と言われます。現地に行き、空気を感じ、人と話し、景色を見る。それによって圧倒的な情報量を得ることができます。交通費や移動時間だけをみると非効率かもしれませんが、結果として手戻りが減っていることから、経験が活きていると実感しています。

AI時代だからこそ、“顧客不在”になってはいけない
――具体的に経験が活きたと感じたのはどのようなときですか。
最近はAIを使えば、簡単に事業アイデアを出すことができます。その結果、アイデア先行になってしまったり、実効性がないものになってしまったりする。だからこそ、「本当にその課題は存在するのか」「誰が困っているのか」「なぜ困っているのか」というリアルを取りに行くようになりました。現在、社内起業家を輩出・育成するプロジェクトを企画・推進していますが、そこでも”顧客課題起点で考えること”を強く伝えています。
――どんな人にお勧めしたいですか。
SATOBITOに参加することで自分の仕事が社会とどのようにつながっているのかを感じる機会になるため、比較的若い年次の方に参加をお勧めしたいです。例えば、全国に拠点がある会社にお勤めであれば、地域毎に異なる根深い課題を担当者が現地現物で理解し、解決策を考える第一歩になると思います。その結果、自身や会社のプレゼンス向上につながり、社員のエンゲージメント向上や離職防止にもつながるかもしれませんね。

“現地現物”の重要性に改めて気づいた
――最後に、SATOBITOのプログラムを一言で表すとなんでしょうか。
”現地現物”です。よくあるオンライン研修や短期の事業開発研修とはまったく違いました。課題に向き合うためには、現地に行って、自分の言葉でヒアリングして、自分で感じるしかない。その積み重ねがあって、初めて仮説が生まれ、事業になる。楽ではないですが、“足を動かすこと”の価値を改めて実感したプログラムでした。
*サービス内容やお話を伺った方のご担当部署・役職などの情報はインタビュー当時のものとなり、現在とは異なる場合がございます。

| 社名 | MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社 |
|---|---|
| 業種 | 保険業 |
| 従業員数 | 約500名(連結約38,000名) |
| 実施プログラム | 課題探求コース(異業種形式) |



